おもしろいことに、保守性(conservatism)というのは、言葉としても慎重さ(caution)の類義語にあたる。そもそも、物事をきちんとおこなうことを優先してスピードを抑える政治が保守政治でないなら、何がそうだというのか?
慎重さは、応答時間が長いということだけを意味しているわけではない。それは速さと正確性のバランスのことを言っている。
キーボードでの文字入力や車の運転のように、ゆっくりと進めて、間違いを最小限にするのが好きな人もいれば、速さを優先して、多少の間違いはしかたないと考えがちな人もいる。
ところが、速さと正確性を(見事に)両立させる人や、反対に遅いうえに間違いが多いという(残念な)人もいるのだ。
保守の脳は何においても慎重
政治的保守派の知覚戦略は、先ほどのトレードオフで言えば、ゆっくり確実な道を選ぶ傾向がある。
私たちの研究では、保守派の脳は何においても慎重だということがわかっている。道徳や政策の面だけでなく、1秒未満の視覚的判断においても慎重なのだ。
知覚における慎重さは、社会的保守派や経済的保守派だけでなく、ナショナリズムやパトリオティズム、社会の支配階層の正統性、不平等の維持を強く信じる人たちや、暴力や、所属するイデオロギー集団のための自己犠牲を支持する人たちでも明らかに見られた。
これは、右派的な意見を持つ人は左派的な信念を持つ人と比べると、新たな環境を探検するときにより慎重で、新しいものに近づきたがらない傾向があるという、別の研究結果とも一致する。
(翻訳:熊谷玲美)


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