――そういうご家庭には、どうアドバイスされているんですか?
市野瀬:私がよくお伝えしているのは、「1カ月、ただ聞くだけをやってみてください」ということです。
――1カ月ですか。
市野瀬:はい。評価しない、アドバイスしない、意見しない。ただ「聞く」だけ。子どもが「今日、YouTubeでこんな動画見た」って言ったら、「そうなんだ、それでどうだった?」って。「ゲームでこんなことがあった」って言ったら、「へえ、それって面白いの?」って。中身は何でもいいんです。
――評価をゼロにする、と。
市野瀬:はい。多くの親御さんは、子どもが話し始めると無意識に評価を挟んでしまうんです。「またゲームの話?」「勉強はどうしたの?」って。それをやめるだけで、子どもは驚くほど話すようになります。
――そういえば、子どもって、話を聞いてもらった実感がないまま大きくなる子、多いかもしれないですね。
市野瀬:そうなんです。「聞いてもらえた」実感がある子は、自分の感情を大事にできるようになる。感情を大事にできる子は、「自分は何をやりたいのか」がだんだんクリアになってくる。それが最終的に、勉強への火のつき方に効いてくるんです。
「楽な道」に逃げる子にはどう向き合うべきか
――逆パターンも聞かせてください。「言いたい放題」というより、なんか常に楽な道を選んでしまう子。「これ、大変そうだからやめとく」みたいな子って、どうすればいいんですか?
市野瀬:そういう子には、逆に「まずやってみないと、あなたの行きたい道にも進めないよ」ってガツンと言うんです。
――え、優しく寄り添うんじゃなくて?
市野瀬:状況によりますね。でも、楽な道ばかり選んで、失敗経験をしていない子には、あえて失敗させるんです。親が手綱を握りっぱなしにしないで、外す。「今、高校生でちょっとやそっと溺れたって、その先の長い人生、決定的な影響を与えるようなダメージになるようなことは何にも起こらないよ」って。


※ログイン後、コメント入力が可能です。