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「酒に溺れて借金まみれ」の過去もあったが…"国立大卒、元銀行員ラッパーSKRYU"がチケット即売の人気を得るまでの逆転劇

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SKRYU
ラッパー・SKRYUに直撃し、彼の等身大の生き方を聞いていく(撮影:長田慶)
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当時、5000円ほどで買った中古のボイスレコーダーを持ち、母親の軽自動車で家の近くの川へ向かった。家では声が響いてしまうため、夜になると川沿いまで車を走らせ、レコーダーに向かって言葉を吹き込んだ。

銀行員時代に書いた曲のひとつが、「Mountain View」だった。

「川から見える山の眺めが、自分にとっては、まだ登ったことのないキャリアのように見えたんです。銀行員を辞めようかなと思っていた時期に書けた、すごくマインドフルな曲でした」

(撮影:長田慶)

ラップへの思いを抱え続ける一方で、銀行員として働いた時間は、SKRYUに「信用」の重みも教えた。

ある飲み会で「ラップをやっています」と話し、周囲に促されて披露した時のことだった。スーツのジャケットを脱ぐと、その下に着ていたのは半袖のシャツだった。

「それは嘘だからね。われわれを騙しているのと一緒だから。なんで黙っていたの? 信用がなくなっちゃうからね」

ジャケットを着ていれば、下が半袖であることは外からはわからない。それでも、見えない部分を取り繕う姿勢そのものが、信用に関わると教えられた。

「銀行員は、お金を扱うだけでなく、人を売る仕事でもある。だから、見え方や誠実さに対して、アーティストよりも敏感だった気がします」

その厳しさが、SKRYUにとって「信用」を考える原点になった。

なぜ安定した仕事を辞め、東京へ向かったのか

銀行員としての仕事が本格化し始めた頃、再びラップへの手応えをつかむ出来事があった。

入行1年目、全国規模のMCバトル「戦極令和杯」で優勝。SNSでも反応が広がり、自分でリリースした楽曲にも、これまでとは違う手応えがあった。

初めて、「ラップで生きていけるかもしれない」という感覚が芽生えた。

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