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キャリア・教育

「効率化したら仕事が増えた」 AIをよく使う人ほど残業時間が長くなる? 日本企業をむしばむ"忙しさの病理"

7分で読める
残業で疲労を感じるビジネスパーソン
AIを使いこなしている人ほど、残業時間が長い。この一見矛盾した現象がなぜ起きるのか(写真:kouta/PIXTA)
  • 横山 信弘 アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役会長
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「AIで効率化したぞ、よし次の仕事も引き受けよう!」

この発想が続く限り、いくら作業時間を短縮しても、労働時間全体は一向に減らない。実際に、あらかじめ「時短した分をどう使うか」を決めていた人だけが、残業削減に成功している。パーキンソンの法則に抗うには、意識的に

「この時間は空けておく」

「定時になったら帰る」

と決めておくしかない。放っておけば、時間は必ず別の仕事で埋め尽くされてしまうからだ。

(画像:パーソル総合研究所「生成AIとはたらき方に関する実態調査」プレスリリース)

AI活用は手段であり、目的ではない。この原則を見失うと、便利な道具を手に入れたはずなのに、かえって忙しくなるのだ。

試行錯誤を飛ばすと、使えないものが生まれる

私自身、現場でこの問題を痛感した出来事がある。

あるお客様から、経営計画についてアドバイスがほしいという相談を受けた。事前に伺うと、外部環境分析としてPESTや5フォース分析、内部環境分析としてバリューチェーン分析を実施し、その上でSWOT分析も行ったという。しかも、それらはすべてAIによって図表にまとめられ、資料として送られてきた。

これはレベルが高いと思った。しっかりと情報収集をしてから打ち合わせに臨んだ。しかし、実際に話してみると、先方の社長や経営陣は、その分析のやり方も、目的も、まったく理解していなかった。ただAIが出力した分析結果だけを見て発言するため、話がまるでかみ合わない。

経営分析を行うためには、かなりの試行錯誤が必要だ。知識だけでは不十分で、経験がものを言う。データの背後にある文脈や、その会社の歴史も読み解く必要がある。何より、現場で働く人たちの性格や思い、スキルや思考にも大きく左右される。絵に描いた餅にならないよう、その会社に合った計画を立てるには、表面的で当たり障りのない情報だけでは、決してわからないのだ。

こうした事情を説明しようとしても、「そんな面倒なことは不要だ。AIがこう分析しているのだから、この計画で問題ないはずだ。コンサルタントのお墨付きさえあればいい」と言われてしまった。

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