逆に、これはやってはいけないという振り返りの際の注意点もあります。
問いを詰問にしないでください。
「なんでそうなったの?」「どうしてちゃんとやらなかったの?」という言い方は、字面は理由の問いに見えても、実際には子どもを追い詰める尋問になっています。子どもが黙り込んでしまうやつですね。
同じ理由の問いでも、「どうしてそうなったんだろうね」「何があったのかな」と、親御さん自身が一緒に考える姿勢で投げかけていただきたいのです。
振り返りは、裁く時間ではなくて、一緒に耕す時間なんです。ここを間違えると、子どもは振り返りそのものが嫌いになってしまいますので、どうかご注意ください。
見通しと振り返りをセットにする
さて、これらの振り返りがどうしてもうまくいかない、という場合にはもう一つ、「見通し」というやり方があります。
OECDが提唱しているAARサイクルというもので、見通し(Anticipation)→ 行動(Action)→ 振り返り(Reflection)の3つがセットになって初めて回る、というものです。
名前は難しそうですが、要は「事前に狙いを決めて、動いて、あとで確かめる」という、ごくシンプルな仕組みですね。
ではなぜこれが有効なのかというと、振り返りが苦手な子は、たいてい振り返りが下手なのではなく、振り返る対象が漠然としすぎているからです。
朝に何も決めずに学校へ行き、なんとなく一日を過ごし、夜に「今日どうだった?」と聞かれても、そりゃ「ふつう」としか答えようがない。
見るべきポイントが定まっていないから、記憶が像を結びません。
ところが、朝に一言「今日は何を頑張ってみる?」と声をかけておくと、状況が一変します。
子どもの頭の中に「今日はここを見ておこう」というアンテナが立ちます。授業中でも、休み時間でも、部活動でも、そのアンテナに引っかかった出来事が記憶に残るようになる。
すると、夜に「今日の“頑張ってみる”はどうだった?」と問いを重ねたとき、驚くほど具体的な言葉が返ってくるようになります。
お子さんが将来、頑張った経験を次の場面にきちんと運んでいける人になるかどうか。
それは才能や環境の問題ではなく、幼い頃からどれだけ振り返りの筋肉を育ててもらえたか、にかかっている部分がとても大きいんです。
そしてその筋肉を育てられるいちばんの場所は、間違いなくご家庭です。
今日の夕食の時間からでも始められますので、ぜひ問いのレベルを一段だけ上げてみてください。


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