有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場

高市首相から、市場から、アメリカから……「いじめ」を受ける日銀が「四面楚歌」を脱する「たった1つの正しい方法」とは何か

16分で読める
圧力にさらされる日銀。どうすればいいのだろうか(写真:ブルームバーグ)
  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
2/7 PAGES
3/7 PAGES
4/7 PAGES
5/7 PAGES

日銀が2001年に導入した「元祖」量的緩和政策は、短期資金を積み上げることにすぎず、マネーの政策であり、その後、長期国債を大量に買い入れる政策とはまったく異なる。

長期国債などを大量に買い入れる政策は、アメリカの中央銀行FEDによれば、バランスシートポリシーであり、日銀が2010年代に大幅に拡大した長期国債の買い入れ、とりわけ、「異次元緩和」と呼ばれるものは、あくまで緊急事態の政策でしかありえない、禁じ手の政策なのだ。

非伝統的政策と呼んで、美化するのは緊急事態においては仕方ないが、平常時には、しかも、引き締めが必要な局面では、正しくない政策であることは異論の余地がない。バランスシートを使う政策に関して、平常時でも多少の効果はあり、使う余地はあるのではないか、という議論はありうるが、国債残高の半分を日銀が買い占める理由はない。

しかも、その国債残高は世界一のレベルなのだ。だから、国債残高はまだまだ減らすことが、金融政策の正常化のために必要だ。しかも、このことが、為替を異常な水準に動かしてしまっている。為替とは、もっとも重要な価格、インフレを起こす元凶の1つであり、実際、異常な円安は、現在のインフレの最大の原因の1つである。

「正しい」ことをして批判されたほうがよい

そして、異常な円安が加速した原因の1つが、異次元の金融政策による歪みにあることは間違いがない。金融政策は為替を目標としない、為替水準という「価格」に歪を与えない、それが「正しいこと」であるから、過去の日銀あるいは日銀総裁が仕出かしたことによる副作用が強く残っているのだから、それを除去することは義務であり、「正しい」ことである。

株式を保有するということも理屈が立たない。最後の買い手として、金融市場の崩壊、金融機能の喪失を防ぐためには必要だが、バブルかどうかが議論されているような株式市場の状況が数年以上続いているときに、持ち続ける理由はない。すぐに、すべてバランスシートから外すべきだ。議論するべきは、金融市場への悪影響を最小限に抑えるための手段はどれがましか、という点だけであり、バランスシートから外すタイミングを待つこと、躊躇し続けることではない。即時に外すことを始めるべきだ。それが「正しい」ことである。

いじめられているときは、何をやっても非難される。いじめられる。配慮しても、忖度しても、気を使っても、おびえながら躊躇しても、何をしてもどうせいじめられるのだ。それならば、「正しい」ことをして批判されるほうが、気分がいいじゃないか。

日銀が精神的に楽になるには、「正しい」ことを、即刻開始すること。それしかない(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が競馬論を展開したり、週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

6/7 PAGES
7/7 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数