具体的には、どんな授業が行われているのでしょう。高校は義務教育ではないため、学校ごとに独自のカリキュラムを組む自由度があります。
例えば、普通科と工業科では授業内容が違うのが当たり前です。そのため探究の方向性も、地域との連携、企業との協働、グローバルな活動、科学実験を重視した活動、生徒自身の関心を起点にするなど、実に多様です。現在、全国の高校でさまざまな実践が積み重ねられています。
◎探究における生徒の学習の姿
一方で、その実情には、高校間・教員間で大きな温度差があります。高校現場からは、「何をどこまで行えばよいのかわからない」「生徒の主体性が感じられない」「教員の意識に差がある」「時間も人手も足りない」といった声が、今も聞かれます。
「やらされ探究」「探究公害」と揶揄される原因は?
そもそも高校教員は、それぞれの教科教育の専門家です。「探究」の教員免許があるわけではありません。すべての教員が、多様なテーマへの対応方法や、学校外連携の伴走、または評価方法を十分に身に付けているとは限りません。さらに教育現場の多忙化にともない、十分な余裕もありません。
その結果、形式的な調べ学習だけで終わってしまうケースも生まれます。生徒にとっても、とりあえず提出物を仕上げるだけの「やらされ探究」になりかねない状況にあります。
一方で、やる気はあるけれど準備不足な「空回り探究」の高校生が、専門家へのヒアリングを希望する三々五々の問い合わせをしてしまい、相手方に困惑を与えてしまう場面もあります。こうした状況は「探究公害」と揶揄され、ときにSNSで皮肉っぽく拡散しています。


※ログイン後、コメント入力が可能です。