「グループに入った会社が単独で頑張るのではなく、グループが培ってきた強みを掛け合わせるんです」
宮原社長が目指したのは、一般的な企業規模の拡大ではない。グループ企業同士がリスペクトし合い、化学反応を起こして新しい価値を生み出すことだった。
このように、教育出版社として出発した学研グループでは、介護会社や医療福祉企業、旅行ガイドブランドなど、多様な企業や事業が集まって仕事を進めている。
気になるのは、組織文化の違いによるすれ違いは起きないのか、という点だ。事業内容も働く人々の専門性も大きく異なる。グループが拡大するほど、一体感を保つことは容易ではない。
そこで学研グループは、目指す姿を明確にするために2023年、新たなコーポレートアイデンティティを刷新した。
「人の可能性をどこまでも追求する会社へ」
明文化された共通の大志で多様な事業領域を貫き、異なる企業文化を持つ組織をひとつに束ねている。
教育も介護も医療も、その先にあるのは「人々の人生を支えること」。事業は違っても、目指す方向は同じという思想が根底にある。
国内トップまで成長も、「次の撤退」も視野に
「介護分野もずっと続くはずがありません」
介護事業は、いまや学研を支える第二の柱になった。だが宮原社長は、現状に安住していない。むしろ、次の危機を見据える。
「2035年から2040年頃には高齢者人口がピークを迎えます。その先は社会福祉法人との競争がさらに激しくなるでしょう」
だからこそ、現在の成長頭である介護事業についても、将来的な撤退戦略まで視野に入れているという。


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