結果として、2014年度は最終的に約7000万円の黒字で着地する。数字だけ見れば決して大きな利益ではないが、赤字転落を回避した意味は大きかった。
「ギリギリでも赤字にしない」。宮原社長は、中編で示した就任時に掲げた原則を、ここでも守り抜いたのである。
認知症ケア大手のグループホーム企業をM&A
話を介護事業に戻そう。ココファンへの集中投資によって、高齢者住宅事業は着実に成長していた。だが宮原社長は、それだけでは十分だとは考えていなかった。
高齢化社会への貢献という戦略を本気で進めるなら、住宅だけではなく介護サービスそのものも強化する必要がある。
内部改革の3年間を経て、宮原社長はかねて構想していたM&A戦略に動き出していた。2018年、学研は認知症ケア大手の「メディカル・ケア・サービス」(以下、MCS)をグループに迎え入れた。全国で認知症対応型の共同生活施設を展開する企業だ。
「住宅だけでは完結しません。あらゆる介護サービスも含めて支えられる体制が必要でした」
学研は、MCSをグループに迎え入れることで、認知症領域へ本格的に進出し、医療福祉事業のさらなる拡大を目指したのである。これは、教育事業において学研教室の延長線上に学習塾を加えたスキームと同じ絵図である。
このM&Aにより、学研の医療福祉事業は一気に拡大した。


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