もっとも、開発陣は日本の道路事情、とりわけ勾配の急な坂道を走り込み、既存モーターの流用では力不足と判断して最高出力47kW(64PS)、最大トルク160Nmの専用モーターを新規開発するなど、日本市場への対応は徹底している。
価格面では、エントリーモデルの「200」が214万5000円、中間グレードの「300Plus」が239万8000円、最上級の「300Premium」が249万7000円と発表された。東福寺氏によれば、この価格は発表のわずか2週間前に最終決定したという。
補助金も含めて国産軽EVと同水準の価格に
背景にあるのが補助金をめぐる事情だ。国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)は、日産「サクラ」など国産軽EVには最大55万〜58万円程度が交付されるのに対し、RACCOに適用されるのは全グレード一律15万円にとどまる。メーカーの国内EV普及への貢献度を評価する加算項目などからBYDには不利になる制度であり、単純比較すれば国産軽EVより30万円以上も補助金が少ない計算になる。
それでもエントリーモデルは補助金込みで200万円を切る水準に抑えられており、「価格は何度も議論を重ねた」結果、ガソリン軽自動車からの乗り換えも視野に入れた価格設定を実現した形だ。
商品企画を統括する田川氏は、開発の出発点について「軽自動車の中でも最も選ばれているスーパートールワゴン、その市場そのものに挑戦したかった」と語った。年間約65万台が売れるこのカテゴリーに狙いを定め、「一番広い車」でも「一番速い車」でもなく「一番いい軽自動車」を目指したという。

