そして本作の共同監督を務めるケナ・ハリス氏は94年生まれで、『トイ・ストーリー』第1作の公開前後に生まれた若手世代の有望株だ。スタントン監督は本作で「ピクサーが手がけてきた目に見えない映画づくりのノウハウを次世代のスタッフに伝える“継承”」というテーマを掲げている。
「今や孫が登場するようになった」
なお余談だが、本作の新キャラとなる“スマーティー・パンツ”は、ピクサーが毎年夏に行っているインターンシップに参加していたインターン生のナオミ・ユーリーのデザインを土台につくられたキャラクターだという。そういったところからも、ピクサーが若手の意見を積極的に取り入れようとしている様子がうかがい知れる。
その流れで、本作にはひとつの変化があった。
ピクサー作品のエンドクレジットには、映画の制作中に生まれた子どもたちの名前を記す「プロダクション・ベイビー」という項目があるが、そのことを踏まえてコリンズ氏はこう明かす。
「やはり映画を制作するというのは膨大な時間と労力を奪われるものなので、その過程でスタッフが家族を築き、赤ちゃんが生まれていくわけです。ピクサーというのは大きな“家族”であり、わたしも3人の子どもの名前を映画のクレジットに載せてもらうことができました。子どもたちもそれを誇りに思ってくれています。これはわたしたちがひとつの大きな家族であるということを示した、愛らしくも、ユーモラスで、実に感動的なオマージュだったと思います。
そしてもうひとつ、この映画からはじまったことがあるんです。実はこの映画ではじめて『プロダクション・グランドチャイルド(孫)』というクレジットが採用されたんです。彼らはピクサーに20年以上在籍しているスタッフたちの孫なんです。そこには(製作総指揮の)ピート・ドクターの孫も登場していますし、アンドリュー・スタントンの孫も登場しています。われわれはもうそこまで進化していて、今や孫が登場するようになったんです」

