コロナ禍をきっかけに、ビジネスウェアのカジュアル化はますます進んでいる。それに伴い、同社でもスーツ以外の商品比率は確実に拡大しているという。
帝国データバンクの調査によると、紳士服主要7社の店舗数はコロナ禍前(2017年度末)のピーク時から約700店舗(約2割)も減少している。
とくに地方のロードサイド店舗など、スーツを買う目的がなければ足を運ぶ機会の少ない店舗にとって、今回の防虫ウェアは、これまで接点の薄かった新たな客層を呼び込む一つのフックになりそうだ。
スーツ市場縮小の中での戦略
「スーツ店という固定観念を、良い意味で裏切る商品を配置していきたい。スーツを買うためだけでない、新しい来店動機をいかにつくっていけるかは常に意識しています」
「働く人を支える」という同社のコンセプトを、仕事中だけでなく休日へも広げる。その試みは、スーツ市場が縮小する中での生存戦略でもある。今回の防虫ウェアの反響は、スーツ店として培ってきた強みを別の市場へ展開できることを示した一例ともいえる。スーツ離れが進む時代、青山商事が次にどんな"意外な一着"を生み出すのか。その動向にも注目したい。

