私は現代文の授業で、生徒たちにすぐ答えを教えるのではなく、できるだけ自分で考える時間を持たせるようにしてきました。
こうした問いを投げかけると、生徒たちは文章の中に戻っていきます。
最初はうまく答えられなくても、考えるうちに、言葉と言葉のつながりに気づくことがあります。自分なりの根拠を探そうとすることがあります。
この経験が、読む力を育てていきます。
「どう思う?」が子どもの読解力を育てる
家庭でも同じです。
子どもが「どうすればいい?」と聞いてきたとき、すぐに答えを渡す前に、少しだけ問い返してみる。
たったそれだけでも、子どもは一度、自分の頭で考えることになります。
もちろん、毎回じっくり対話する必要はありません。
大事なのは、日常の中に少しでも「考える余白」を残すことです。
・正解かどうかを判定する前に、なぜそう思ったのかを聞いてみる
・うまく説明できなくても、すぐに直さず、少し言葉を待ってみる
そうした小さな積み重ねが、子どもに「自分で読んで、自分で考える」経験を残します。
言われたことをきちんとできる力も、もちろん大切ですが、これからの時代に必要なのは、指示を待つだけの力ではありません。状況を読み取り、自分なりに考え、必要な言葉で説明する力です。
「地頭がいい子」の親がしていることは、特別な英才教育とは限りません。
答えを急がず、子どもが自分で考える時間を少しだけ残すこと。
その小さな習慣が、子どもにとって、自分で読み取り、自分で考える最初の練習になるのです。

