これらが重なると、部下は「反論できない」「言い返せない」状況に追い込まれ、意見を言えなくなり、萎縮し、最終的には心が折れてしまうこともあります。
上司に詰められ続けた2人の事例
入社3年目のBさんは、資料作成のスピードが遅いことを上司から指摘されていました。
上司は毎回こう言います。
「この作業は普通30分で終わるよね。なぜ1時間以上かかるの?」「冷静に考えれば、優先順位はこうなるはずだよね?」
言っていることは正しいように聞こえます。
しかし、Bさんは複数案件を同時に抱えており、他部署からの急ぎの依頼も多い状況でした。背景を聞かず、プロセスを評価せず、結果だけを正論で突きつけられる日々。
Bさんは次第に「自分は仕事が遅いダメな人間なのかもしれない」と思い込み、意見を言うことすら怖くなっていきました。
最終的にBさんは体調を崩し、休職。上司は「ただ事実を言っただけなのに」と戸惑いましたが、Bさんにとっては逃げ場のない正論が積み重なっていたのです。
中堅のCさんは、家庭の事情で一時的に勤務時間を調整していました。
ある日、急なトラブル対応が発生し、上司から残業を求められました。
Cさんが事情を説明すると、上司はこう返しました。
「あなたの担当の緊急案件が発生しているので、対応するのが最適解だよね?」
たしかに、業務の優先順位としては正しい判断かもしれません。しかし、Cさんの事情や気持ちは一切考慮されていませんでした。その後、Cさんは「自分は職場で存在価値がないのか」と感じ、徐々にモチベーションを失っていきました。
正論は正しい。しかし、正しさだけでは人は動かないのです。

