東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」

1ドル162円突破の「異常な円安」はなぜ止まらない? 原因が「ホルムズ危機」でも「高圧財政」でも変わらない"唯一の解決策"

6分で読める
ドル円相場
経済学のモデルに反する「異常な円安」が続いているドル円相場。解決策はあるのか(写真:ブルームバーグ)

INDEX

2025年秋以降、円安が進んだ。同年10月には1ドル=150円台前半から半ばで推移していたが、11月には一時158円近くになった。今年に入ってからも円安基調は続き、1月には一時159円台に迫る場面があった。このとき、政府・財務省による口先介入やレートチェックに対する警戒が高まり、それによって円が一時的に買い戻されたとみられる。

その後、4月には再び円安が進み、4月末には160円台後半に達した。この局面では、政府・日本銀行による為替介入が行われたとみられる。これによって、ドル・円レートは一時155円前後まで円高方向に戻った。

しかし、その効果は長続きしなかった。円安圧力は再び強まり、6月下旬には160円を突破し、一時162円台に達した。日銀が6月に政策金利を引き上げたにもかかわらず、円安の流れは止まらなかったのである。

経済学のモデルに反する「異常な円安」

1ドル=160円という水準は、政府が公式に定めた「危機ライン」ではない。しかし、市場では政府・日銀による介入警戒が強まる「心理的な節目」と受け止められている。その水準を超えて円安が進んだことは、決して無視することができない。

開放経済を分析するマクロ経済学の標準的なモデルである「マンデル=フレミングモデル」では、財政を拡大すれば金利が上昇し、その結果、資本が流入して通貨高になると説明されてきた。

高市内閣は「高圧財政」と称して、財政拡大策を行っている。だから、マンデル=フレミングモデルが正しいとすれば、円高になっているはずだ。ところが実際には、まったく逆に円安が進行しているのである。これは一体なぜなのだろうか。

2/3 PAGES
3/3 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数