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1ドル162円突破の「異常な円安」はなぜ止まらない? 原因が「ホルムズ危機」でも「高圧財政」でも変わらない"唯一の解決策"

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ドル円相場
経済学のモデルに反する「異常な円安」が続いているドル円相場。解決策はあるのか(写真:ブルームバーグ)
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このような金利上昇は、通貨高をもたらすとは限らない。むしろ、国の経済政策に対する信頼を失わせ、金利が上昇しているにもかかわらず、通貨が下落することがある。

日本では高市政権が高圧財政を推し進める一方、必ずしも十分な財源手当てをしていない。こうした場合、将来の財政危機が危惧され、通貨が減価することがありうるのだ。

こうした流れは、理論的にありうるというだけでなく、実際にこれまでも生じてきた。

イギリスで22年9月に起きた「トラスショック」がその一例だ。財源の裏付けが不十分な大規模減税が発表されると、市場は政権の財政運営に不安を抱き、国債価格が下落し、金利が上昇し、同時にポンドも下落した。

財源の裏付けが不十分な大規模減税に市場から「ノー」を突き付けられたリズ・トラス元首相(写真:ブルームバーグ)

アメリカでは25年に似た現象が生じた。原因は、トランプ政権による相互関税の賦課と中央銀行人事に対する介入だった。この場合も市場は敏感に反応し、政府は政策の変更や撤去を余儀なくされた。

「トランプ政権は市場がパニックに陥りかけると撤回や妥協を繰り返す」ことから、TACO(Trump Always Chickens Out:「トランプはいつもビビってやめる」)と揶揄された。これが「債券自衛団の活動」と呼ばれるものだ。

これと類似のことが日本でも起きているのだとの解釈は可能だろう。ただし、株価は高騰を続けている。なぜ日本では、債券自衛団の活動が株価に及ばないのだろうか。

どちらの仮説も結論は同じ

以上の2つの仮説のどちらが正しいか、実証分析で判断するのは容易でない。一方で注意すべきは「これらのいずれであるとしても政策的な結論は同じ」という点だ。つまり、「高圧財政政策から撤退すべきだ」という結論が導き出される。

「ホルムズ問題が円安の原因」という第1の見方が正しい場合、取られるべき政策は、1970年代の日本で行われたように、総需要を抑制して、物価の高騰をできるだけ抑えることだ。高圧財政で需要を増やし、供給制約下で物価をさらに高騰させることではない。

一方、「円安は将来の日本財政に対する危惧から生じている」との見方が正しい場合に必要なのは、国債に対する依存度を減らしたり、財政支出の規模を圧縮することだ。つまり、高圧財政から撤退することだ。

こうした政策を行わなければ、いかに為替市場で介入に踏み切ったとしても異常な円安から脱却することはできないだろう。

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