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アメリカ版「七人の侍」になるのか?これから上院共和党の「無敵の七人」がトランプ政権を揺さぶるかもしれない

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2016年の『マグニフィセント・セブン』。『七人の侍』とそのリメイク版『荒野の七人』が元になっている (写真:Everett Collection/アフロ)
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差し当たって気になるのは、ホワイトハウスが要求しているイラン戦費876億ドルの補正予算の行方である。この法案自体は、政治的に反対することが難しい。「兵士たちに弾薬を送るなというのか!」と言われてしまうからだ。しかし議会としては、「イラン戦争に反対する」態度を鮮明にしたところ。おそらく2027年度予算(今年10月から来年9月まで)と一緒に通しましょう、ということになるだろう。

与党としては、伝家の宝刀「予算調整措置」(リコンシリエーション)を使えば、上院で50票の賛成によって予算の大枠を通すことができる。イラン戦費もそれで通すことができるだろう。ところがその予算の使い道、政府を動かすための年間予算は12本の歳出法案を通さねばならず、こちらは上院で60票の賛同が必要になる。

「無敵の七人」が大活躍、物語のエンディングの台詞は……

ここで「無敵の七人」の出番となる。ランド・ポール議員が「兵士には敬意を払う。だが財政規律の問題は別物だ」と主張する。リサ・マコウスキ議員が「アラスカ州の基地は守る。だがこの環境予算の削減は認めない」とゴネ始める。無数の修正案が出てきて、それに民主党議員が乗ってきたりする。いやあ、なんだか目に浮かぶようだなあ。

強調しておきたいのは、マコーネル議員がかならずしも「トランプに一泡吹かせてやりたい」という俗な野心を抱えているのではない、ということだ。2016年のトランプ氏最初の当選以来、両者の関係はつかず離れずであった。マコーネル議員は予算には協力し、「トランプ減税」を成立させた。最高裁人事でも協力し、保守派判事を承認して現在の「6対3」の体制を築いている。逆に「1月6日事件」では、トランプ大統領を厳しく批判した。しかるに弾劾手続きでは有罪評決に賛成しなかった。いわば不思議な「共生関係」なのである。

つまりトランプ大統領の保守路線は後押しするが、ポピュリズムには抵抗して議会という制度を守ろうとする。マコーネル議員は、建国の父たちが作った三権分立のシステムを守るということで首尾一貫してきた。トランプ政治が「チェック・アンド・バランス」の矩を踰えようとすると、そのたびに防波堤になろうとしてきたとも言える。これから先、年内いっぱいのアメリカ議会は、まさにそういう戦いが続くのではないだろうか。

『七人の侍』のラストシーン、志村喬演じる勘兵衛は「このいくさ、またも負け戦だったな」とつぶやく。生き残った仲間に向かって、「勝ったのは百姓たちだ。わしらではない」という有名なセリフを残す。

現代アメリカ政治の『無敵の七人』という物語のエンディングには、さしずめこんなセリフが似つかわしいように思える。

「勝ったのはアメリカの制度だ。わしらではない」

議会が予算を握り、最高裁が法解釈を預かる。そうやって大統領府の独走を許さない。「けっして王様を作らない」というのが、建国の父たちが描いたアメリカの未来図だった。今回は4日の建国250周年というタイミングに合わせて、われながら少し妄想の入り混じったストーリーを描いてみた次第である(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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