1/5 PAGES
2/5 PAGES
3/5 PAGES
現状の上院は共和党53議席、民主党47議席なので、共和党議員が4人造反すると法案は通らなくなる。「YOLO議員団」の面々は、かならずしも「反トランプ」で一致しているわけではないのだが、それでも戦争、財政、地元利益、人事の承認など、個別のテーマによっては反対票を投じる。つまりこの先の議会工作は非常に難しくなるということだ。
「一致団結した反トランプ」ではないだけに、余計にややこしい人たち
よくよく見渡すと、現在の上院には「トランプなんて怖くない!」と言い切れるツワモノ共和党議員が7人いる。彼らを「無敵の7人」(The Invincible Seven)と呼ぶことにしてはどうだろう。それぞれのプロフィールを紹介するが、ついでに黒澤明監督の名作『七人の侍』に重ね合わせてみるのも一興であろう(以下は7人でなく七人と表記、括弧内は俳優名)。
* ミッチ・マコーネル:ケンタッキー州選出、84歳。すでに引退を表明済み。院内総務を18年も務めた大ベテラン。老練にして沈着、議会の戦い方を熟知している。『七人の侍』で言えば、志村喬演じる野武士のリーダー、勘兵衛で決まりだろう。
* ビル・キャシディ:ルイジアナ州選出、68歳。予備選で負けて、図らずも今後の行動の自由を得た。医師出身で、医療問題には一家言あり。プロフェッショナルでわが道を行くところは、『七人の侍』では寡黙でクールな久蔵(宮口精二)か。
* ジョン・コーニン:テキサス州選出、74歳。上院議員4期の大ベテランで院内指導部の一員だが、トランプ氏に梯子を外された。マコーネルの良き相談相手となるだろう。『七人の侍』で言えば、勘兵衛の女房役、七郎次(加東大介)でどうか。
* トム・ティリス:ノースカロライナ州選出、65歳。任期途中に来期の不出馬を宣言し、上院金融委員会でパウエル議長を擁護するなど、自らの信念に基づいて行動するようになった。『七人の侍』では、いぶし銀の五郎兵衛(稲葉義男)と言えようか。
* スーザン・コリンズ:メイン州選出、73歳の女性議員。中道派の重鎮で、選挙区事情もあってもともとMAGA派とは相いれない。7人の中ではムードメーカーとなるだろう。『七人の侍』では、ときに場を和ませる平八(千秋実)タイプか。
* リサ・マコウスキ:アラスカ州選出で69歳の女性議員。ユニークな選挙区を代表している独立独歩の政治家である。『七人の侍』では、一同のアイドル的存在の若侍、勝四郎(木村功)のイメージが合いそうだ。
* ランド・ポール:ケンタッキー州選出、63歳。リバタリアンで議員らしからぬ議員だが、財政問題と不戦では筋を通す。ときに破天荒な言動で場を乱すも、肝心なところでは本質を突く。これは菊千代(三船敏郎)がピッタリだろう。
この七人、一致団結して「反トランプ」に動くわけではない。それぞれの思想や立ち位置はバラバラだ。ところが政策次第では合流して、共和党の中枢に逆らいかねない。身内にこんな反主流派グループが居るのでは、党の束ね役であるジョン・スーン上院院内総務(サウスダコタ州選出)としては、「勘弁してくれ!」というところだろう。
4/5 PAGES
5/5 PAGES