6月中旬、最高気温44度を記録する熱波に見舞われたフランス。6月17日から6月28日までの約10日間、最大時には国内7割の県で酷暑警報が発令された。
深夜の公園やベランダ、地下室で眠る人々が続出
救急搬送の急増で病院は逼迫、停電や交通機関の欠便が相次いだ。冷房普及率が3割にも満たない大都市では、深夜の公園やベランダ、地下室で眠る人々が続出し、その非日常的なシーンがSNSでも多く発信された。冷房のない学校では休校や時間割変更がなされ、親たちも急遽、在宅勤務や休みに切り替える必要に追われた。
海から離れた内陸部では少しでも涼を取るために、市民プールの営業時間を拡大したり、冷房完備の公立ミュージアムを無料開放する対策も取られた。しかしパリを筆頭に人口の多い大都市では到底足りず、河川や運河の遊泳禁止区域に立ち入る若者たちの姿も。溺死事故や在宅死が多発し、この酷暑期間の死亡数は、前年比で1000人以上増えると言われている。
この熱波は運悪く「音楽の日」の週末にぶつかってしまい、野外のロックフェスティバルや冷房のない会場での演奏会は中止に。また開催中のサッカーワールドカップでフランス戦があった日には、脱水症状への懸念から、夕方以降のアルコール飲料の販売が飲食店でも小売店でも禁止された。
その一方で爆発的に売れたのが、工事なしで導入できるポータブルクーラー。予算や住居の都合でエアコン購入が難しい人々は扇風機に殺到し、格安店では品切れも相次いだ。
このような報道が日本に届く中、疑問や違和感を抱く人も少なくないだろう。G7に名を連ねる経済大国が、なぜこんなにも暑さに弱いのか? 高温・高湿度の日本とは気候が異なるとはいえ、地球温暖化が騒がれて久しい2026年に至るまで、猛暑対策がされてこなかったのだろうか、と。

