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シャープ「スマホの次は衛星」衛星通信の新時代を見据え2035年1000億円を狙う壮大な構想

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MEO衛星通信ユーザー端末の試作機(右)
MEO衛星通信ユーザー端末の試作機(右)。建設機械の模型や電波暗室での試験映像とともに展示されていた(写真:筆者撮影)
  • 石井 徹 モバイル・ITライター
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シャープの衛星通信事業は現時点で売上がほぼゼロだ。一方、調査会社Straits Researchによれば衛星通信の世界市場は2025年の1025億ドルから2033年に2103億ドルへ拡大する見通しで、年平均成長率は9.4%に達する。スマートフォンや複合機を手がけてきたシャープが、なぜこの成長市場に今、踏み出すのか。

衛星版ビッグバンは2027年に始まる

伏線は、衛星通信業界に迫る規格標準化にある。携帯電話の国際標準を策定する3GPPが、2027年の5G Release 20で衛星通信方式を標準化する予定だ。「5G NTN(Non-Terrestrial Network)」と呼ばれるこの規格で、衛星オペレーターごとにバラバラだった通信方式が統一される。スマホが使う5Gと同じ規格体系に衛星通信が組み込まれるため、地上のモバイル通信と衛星通信が技術的に地続きになる。

発表会に登壇したシャープ執行役員の小林繁Co-COOは、この動きを携帯電話の歴史になぞらえた。1990年代まで各キャリアが独自仕様を採用していた携帯電話は、3G以降の標準化を経て爆発的に普及した。衛星通信でも同じことが起きるというのが小林氏の見立てだ。「2027年以降、5G NTNで衛星通信にビッグバンが起きる」と述べた。

発表会で示されたスライド。携帯電話の標準化の歴史と衛星通信の標準化を対比している(写真:筆者撮影)
【写真を見る】シャープ「スマホの次は衛星」衛星通信の新時代を見据え2035年1000億円を狙う壮大な構想(8枚)

シャープの武器は、この標準化で築いたポジションにある。5Gの標準規格に欠かせない特許の保有数は国内2位、世界483社中16位だ。衛星通信端末の試験手法や、ドローン・車載を想定した20cm角の小型端末の仕様策定もシャープが主導してきた。

製品開発でもスマートフォンとの連続性がある。セルラー通信ではスマートフォンが移動中に基地局を切り替える「ハンドオーバー」が欠かせない。中軌道衛星通信でも衛星が軌道上を移動するため、端末側で接続先を切り替える必要があり、原理は共通だ。AQUOSで培ったアンテナ周辺の電波干渉抑制技術も、衛星用フラットパネルアンテナの薄型化に生かしている。

スマートフォンAQUOSのアンテナ小型化技術(左)を衛星通信端末のフラットパネルアンテナ(右)に応用している(写真:筆者撮影)
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