日本と韓国はドキュメント文化が強い。社内の稟議書、クライアントへの提案書、報告資料。その作成に費やす時間が長い市場で、「一言で成果物が出る」体験が深く刺さった。
GensparkのCRO(最高収益責任者)Jamison Powell氏は「日本がここまで先進的だったことに驚いた。需要が供給を上回っている」と語った。アジア、特に日本と韓国は「後回しの市場ではなく、Go-to-Market戦略の中核」だと位置づけている。
導入効果の数字も出始めている。Powell氏によると、ADKではクライアント向けプレゼン資料の70〜80%をGensparkで作成できるようになり、フォーマットではなく内容の検討にエネルギーを振り向けられるようになった。ヒューマンホールディングスではリサーチ時間を70%削減した。
アメリカでも大手レストラングループが法務請求書のレビューや賃金コンプライアンスの監査をGensparkで自動化し、年間約4000万円の削減効果を見込んでいる。
「エンジンと車」のたとえ
なぜ70人の組織でこの速度を出せるのか。背景には2つの仕組みがある。
1つは技術だ。Gensparkは特定のAIモデルに依存しない。OpenAI、Anthropic、Googleなど複数社のモデルを自動で評価し、タスクごとに最適なモデルを割り当てる。簡単な質問には軽量なモデルを、複雑なタスクには複数のモデルの結果を照合して返す。CTOのZhu氏はこの構造を「OpenAIやAnthropicはエンジンを作っている。我々は車を作っている」と表現した。

