J-Tourでは、これまで競技団体だけでは十分に取り組めなかったマーケティング、デジタル戦略、映像配信、スポンサー営業などをビジネスの専門家が担う。それによって“価値を社会に届ける”という。
倉本氏は「一番の問題は試合数の減少」と語る。試合が減れば、選手が活躍する場も減り、スポンサーも減り、メディア露出も減り結果として男子ツアー全体の存在感が薄れていく。この負のスパイラルを一転させるため、津坂氏が目を付けたのは選手たちの存在だ。
「日本男子ツアーには世界で戦える可能性がある選手がたくさんいる。それなのにスポーツビジネスとして価値が十分に顕在化されていない。魅力を伝える仕組みが、時代の変化に追いついていない」と分析する。
この競技価値とビジネス価値との間にある大きなギャップを埋めることが、J-Tour設立の目的だという。
200人の知られていないスター
津坂氏が取材で繰り返し強調していたのは、「男子ツアーには約200人のプロがいる。彼らはプロになった時点でスター。男子ツアーにはスターがいないのではなく、知られていないだけ」という考え方だった。
確かに、日本の男子ツアーには2021年のマスターズを制した松山英樹以外にも活躍している選手がいる。しかし、選手がほとんど知られていないため、海外ツアーや国内ツアーで優勝しても話題になりにくい。それは国内外の女子ツアーに水をあけられている。
これではファンは育たない。

