レンタカーを借りたのは、南イタリアの中心都市ナポリの中央駅に入るHearz(ハーツ)の営業所。鍵をもらって指定された駐車スペースで待っていたのは、イタリアの大衆車メーカー、フィアットのPANDA(パンダ)という車種で、頼んでいたコンパクトカーのイメージとは違ったSUVタイプだった。
なかなか目立つライトグリーンのこのPANDAで出発すると、高速道路に入るまでに、南イタリアのドライバー気質の洗礼を受けた。
お行儀よくして走れない「バイク」の多い町
イタリアは北部と南部でかなりの経済格差があり、自動車産業をはじめ、工業の集積が進む北部に比べて南部の産業は農業が中心で、国民の気質もかなり異なると言われている。
何せ19世紀に統一されるまで、イタリアは地域ごとに全く別の国であったので、それも当然かもしれない。ナポリの街に踏み出して驚いたのは、まずバイクの多さだった。
ほとんど数秒おきにこちらの車体すれすれで抜いていくのは仕方ないにしても、前方からセンターラインを大きく踏み越えてクルマを抜かしながら近づいてくるバイクには、肝を冷やした。
ちなみにイタリアのバイクの普及率は先進国としてはかなり高く、10%を超えている。
またラウンドアバウト、いわゆる円形交差点でも、「周遊路に入っているクルマが優先」という原則はあまり守られておらず、クルマもバイクもどんどん進入してくる。お行儀をよくしていては走れない道路なのだ。
そんなこともあって、中央分離帯がある片側2~3車線の自動車専用道路である高速道路に入ると本当にほっとした。
ところでイタリアの高速道路は、大きく2つに分かれる。有料のアウトストラーダに加え、道路庁が管理する原則無料の「スーパーストラーダ」も各地に路線を延ばしているのだ。
前者は、「A1」「A16」のように、「A」で路線名が表示されるが、後者は「SS24」のように、スーパーストラーダの頭文字をとった名称で呼ばれる。

