毎晩の晩酌、付き合いの飲み会、ストレス発散の深酒。その積み重ねが、静かに、しかし確実に心臓を蝕んでいる可能性もあるのだ。
心臓を守り日常を快適に"走る"ための黄金法則とは
井上院長は、患者に説明する際、人間の体をよく「車」にたとえるという。
「たとえば、車のエンジンが心臓、車体の重さが体重、タイヤが足腰の筋肉だと考えてみると、おのずと生活習慣のヒントが見えてきます」
いくらエンジン(心臓)の状態が良くても、車体が重すぎたり(体重増加)、タイヤの空気圧が弱ったりすると(足腰の筋肉低下)、エンジンに多大な負荷がかかり、いずれエンスト(心臓病)を起こしてしまう。
「逆に言えば、多少エンジン(心臓)に経年劣化があっても、それに見合った軽い車体(適正体重)と丈夫なタイヤ(足腰の筋肉)があれば、日常という一般道を走るには十分快適なんです」
では、具体的に「軽い車体」と「丈夫なタイヤ」を手に入れるにはどうすればいいのか? 井上院長から飛び出したのは、ユニークな持論だった。
まず車体を軽くするためには、当然ながら食事のコントロールが必要だ。しかし、情報にあふれた今、現代人は何をどう食べればいいのか迷子になりがちである。
「純粋なエネルギー補給として考えるなら、人間の食事は『朝と昼』だけで十分なんですよ」
「えっ、じゃあ夕食は食べなくていいんですか?」と驚く私に、井上院長はうなずいた。
「心臓への負担を考えれば、夜は食べなくてもいい、あるいは少量で構わないと思っています。そもそも人類が夕食をとるようになったのは、産業の発展によって『夜の灯り』が普及し、遅くまで活動できるようになったからではないか、と考えているんです」

