EU(欧州連合)の執行機関である欧州委員会が、域内産業の育成を目指して策定中の「産業促進法案(Industrial Accelerator Act)」に対し、中国企業から規制緩和を求める声が高まっている。
EU域内に進出した中国企業を軸に構成するEU中国商会(商工会議所)は6月19日(欧州時間)、欧州委員会に対し正式な意見書を提出し、産業促進法案の具体的な修正案を提出したと発表した。中国のEV(電気自動車)や電池メーカーが欧州域内に進出する場合、現地資本との合弁を条件とする投資規制の緩和などが要望の柱だ。
欧州委員会が2026年3月に公表した産業促進法案の草案では、外資製造業がEU域内に進出した場合、部材の一定比率以上を域内調達することを義務付けるほか、一部業種では100%独資の進出を制限するなどの投資規制が盛り込まれている。
たとえばEVメーカーが進出する場合、法案の発効から6カ月後以降、公共調達や補助金支給の対象になるためには、EU域内で完成車に組み立てられること、車載電池を除く部品コストの70%以上がEU域内で生産されていること、車載電池の主要3部品もEU域内で生産されていることが条件となる。発効から3年後には、これらの現地化要件はさらに強化される見通しだ。
中国狙い撃ちの色彩濃く
ただしEUの「信頼できるパートナー」として、EUとの自由貿易協定を締結した国、あるいは「政府調達協定」に加盟した国は免除対象となる。中国企業はこの対象外として厳しい現地調達義務を課せられる。また草案によれば、EUは「世界市場の製造能力の40%以上を単一の国が支配している戦略的分野」に対して、投資規制を設ける。中国のEV、バッテリー、太陽光発電メーカーが1億ユーロを超える直接投資をする場合、この規制対象となり、事実上、中国企業を狙い撃ちにした法案との見方もある。

