NHK連続テレビ小説「風、薫る」の第13週「白日の夢」からは、りん(演:見上愛)、直美(演:上坂樹里)、多江(演:生田絵梨花)、トメ(演:原嶋凛)の4人は、帝都医科大学附属病院で働き始めることになった。「看護婦見習い」ではなく、訓練を受けた「看護婦」として現場に立つことになる。
しかも、りんは外科、直美は内科、多江は婦人科、トメは伝染病科の看病婦取締を担当することになった。「トレインドナース」(正規の訓練を受けた看護師)として、看護をする者たちを取り締まって管理する立場になったのだ。
実際にも、1888(明治21)年10月に、りんのモチーフとなっている大関和と、直美のモチーフとなっている鈴木雅、そして、桜川里以の3人が1年に及ぶ実地訓練を終えて、桜井女学校看護婦養成所を卒業。その後は、帝国大学医科大学附属第一医院外科で看護師として働くことになった。
そのときに、和には外科看病婦取締、雅と桜川には内科看病婦取締という役職を与えられている。ドラマにあるように、大勢の看病婦たちを監督および指導することになった。
手術室から逃げ出した偉人
ドラマでは、並行してさらに、帝都医大病院に新設された看護科の第1期生を指導しなければならなくなった。放送では、りんが手術室でのことをこう語る場面があった。
「手術を見学した見習生がバタバタ倒れて、もうヘトヘト」
直美が「いい薬よ。あの子たち、理屈っぽそうだったから」と返す場面があったが、名だたる偉人のなかにも医療職に就こうとしたものの、手術室の残酷さに耐えきれず、逃亡した人物がいた。『種の起源』を出版し、進化論を提唱したチャールズ・ダーウィンである。

