人間がほとんど住んでいない島で、ただひたすらに歩いている時間は、想像以上に気持ちが良かった。登山やハイキングをしているときと似ているかもしれない。心が洗われるような感覚があった。
男鹿島の海はきれいで、水が透き通っていた。無人島らしき島もいくつか確認できた。鳥の鳴き声が最高に心地よい。虫の羽音は最高に心地よくない。潮風がとても気持ちい。燦燦と降り注ぐ太陽の光はとても厳しい。非日常という名の“贅沢”と“サバイバル”を、私は全身で味わった。
「一にも二にも、とにかく島全体が静かだな」「何もないがある、という感じの島だな」などと思いながら進んでいくと、削られた岩がむき出しになった採石場が見えてきた。荒々しい光景を前に、私は目を丸くしながら「畏怖の念ってこういうときの感情を言うのかな」と息を飲んだ。
“自販機”との出会いに感動
ようやく目的地である『青井荘』にたどり着くと、そこにはなんと“自販機”があった。男鹿島にはコンビニやスーパーは、当たり前かもしれないが1軒もない。出発地点の『中村荘』から『青井荘』までの道中には、私が見た限り自販機は1台もなく、だからこそと言うべきか、ただ普通の自販機を見ただけで「現代社会に戻ってきた!」「自販機ありがとう!」といった嬉しさがあった。

