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正露丸の"効果"が判明したのは、実は「それほど昔ではない」? 生き残りをかけて研究を重ねた「大幸薬品」の"意外な過去"

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正露丸
120年にわたって日本人のお腹を守ってきた正露丸。筆者宅にも常備されている(写真:大幸薬品)

INDEX

「ラッパのマーク=正露丸」というブランドは、どのように築かれたのか。前編では、商標争いや広告戦略、そして「セイロガン糖衣A」の開発を通じて、その歴史を追った。

後編では、正露丸の効果を科学的に証明するための研究と、「正露丸しかない」という課題に向き合った大幸薬品の挑戦をたどる。

前編の続きです)

伝統からエビデンスへ。有効性証明への戦い 

「実は、正露丸の効果やメカニズムがわかり始めたのはそれほど昔ではないんです。先ほどもお伝えしたように、正露丸は日露戦争から復員した兵士がよく効く薬だとそれぞれの故郷に持ち帰り、草の根的に広がっていったものですから」(大幸薬品マーケティング部の柴田航氏)

正露丸は戦後の混乱期、衛生状態の悪い日本で爆発的に広がっていった薬だった。主成分は、あの独特なにおいの正体でもある「木クレオソート」。ブナ、マツなどを炭化する際に得られる木タールを蒸留して精製される微黄色透明の液体だ。

木タールから蒸留精製を繰り返すことで、木クレオソートができる(写真:大幸薬品)
【写真を見る】正露丸の"効果"が判明したのは、実は「それほど昔ではない」? 生き残りをかけて研究を重ねた「大幸薬品」の"意外な過去"(4枚)

以前はこの木クレオソートに消毒作用があるとされており、「お腹の中の悪い菌を殺す薬」と考えられていた。正露丸もまた、そうしたイメージとともに家庭の常備薬として広く受け入れられてきた歴史がある。

しかし1960年代以降、世間ではサリドマイドやスモンなどの薬害事件が相次いで発生し、社会問題となったことから、厚生省(当時)は、医薬品の安全性と有効性審査を厳格化する方針を強めた。その行政改革の流れの中で、80年には一般用医薬品の審査を効率化・標準化する『胃腸薬製造(輸入)承認基準』が制定された。

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