そしてスネ夫は「ぼくのパパの友だちに、テレビ局のレポーターがいて、いろんな情報が入ってくるんだ。ちょっと人にもらしちゃぐあいの悪い話もね」とじらし戦法に出てきました。しずちゃんもその友だちも、のび太も「聞かせて!」とスネ夫の話に身を乗り出しました。
スネ夫は「のび太は、口が軽いからだめ」と仲間はずれにして、ふたりの女の子だけに「これは今のところうわさにすぎないのでぜったいにしゃべらないでほしいんだけど」と前置きします。そしてのび太を残して、スネ夫とふたりの女の子は立ち去ってしまいます。
「秘密は守るわ」「えっ、あの純情そうなスミレちゃんが!?」「まさか、そんなこと!」と、遠くから芸能談義が漏れ聞こえてきます。のび太はとぼとぼ家へ向かうのでした。
(『てんとう虫コミックスドラえもん 第19巻』小学館 第14話目「影とりプロジェクター」より)
スペシャル感を出すスネ夫の「絶妙な演出」
さすが、スネ夫はじらして期待を煽るのが上手ですね。
のび太が仲間外れにされてしまうのはかわいそうですが、スネ夫は「モテたい」という下心もあり、あえて女子だけに情報を提供して、スペシャル感を出しているのでしょう。これも演出のうちです。
ちなみに、この「大ネタをじらす」という手法は「クライマックス法」ですね。大ネタがある場合、先に暴露したほうがよいか、最後のお楽しみにとっておくほうがよいかに正解はなく、その場面ごとに適した方を使うのがよいそうです。
「クライマックス法」と「アンチクライマックス法」、2通りのシナリオをアタマの中で準備しておけばよいでしょう。
簡単に言うと、誰もが食いつきそうなネタがあるときは話を「引っ張る」。逆に、反応が悪いときは、最初から「爆弾」(大ネタ)を「投下」したほうがよいとされています。
いやはや、スネ夫を見習って自分もいざ「演出」を始めてみると、演出家とはアタマを使う大変な仕事であることが、よくわかりますよ!


