実際、TVer発表の26年1~3月データではコネクテッドTVの割合が38%となり、月間2.1億回再生を超えているようです。もちろんスマホ、タブレット、パソコンでの配信視聴も多く、これらを「テレビではない」とみなすことには無理があるでしょう。
メディアが「テレビ離れ」をあおる理由
「全世代でリアルタイム視聴の割合が減った」のは、コネクテッドTVの普及で「大きいテレビ画面でTVerやNetflix、YouTubeなどを見たい」という中高年層にも配信視聴が増えたからでしょう。
さらにそのNetflixなどの有料動画配信サービス経由で、テレビのドラマやバラエティを見る人も増えています。もっと言えばTikTokなどの切り抜き動画や違法アップロードされた動画で見ることもあるなど、テレビ番組のニーズが急落したというわけではないでしょう。
もしかしたら若年層がテレビ番組に触れる頻度は以前よりも増えているのかもしれません(テレビ番組と認識しているかはわかりませんが)。
それ以外でも「録画の手間が不要」「CMを飛ばすためにあとで見たい」などの理由で全録機器を利用している人もいますし、やはり「テレビ番組をリアルタイムの放送で見なくなった」という報じ方が妥当でしょう。
ちなみに、毎日新聞のウェブ版も「『高齢者もテレビ離れ』1995年以降初 NHK放送文化研調査」という“テレビ離れ”をフィーチャーしたタイトルで報じていました。
一方、産経新聞のウェブ版は「テレビのリアルタイム視聴、全年齢層で初めて減少 NHK放送文化研究所調査」とタイトルで記事をアップ。“テレビ離れ”ではなく“リアルタイム視聴”というフレーズを使い、「正確に伝えよう」という姿勢を感じさせます。
目を引く「テレビ離れ」というフレーズを使うのは「そのほうが読まれる」とみなしているからでしょう。ネット記事にはこのような数字狙いで批判ありきのタイトルをつけたものも多いだけに、それを読む私たちは「ミスリードされない」という冷静さが必要です。

