「発達障害」の子どもも「定型発達」の子どもも、脳の状態は連続的につながっています。誰しも、脳の中に未発達な部分と得意な部分が混ざっている。その差が大きく、アンバランスさが目立つと、日常生活の困りごととして表に出やすくなるのです。
たとえば、文章をスラスラ読めるけれど、人の気持ちをくみ取るのが苦手だったり。
静かに座っていられないけれど、音楽のリズム感は抜群だったり。
アンバランスさによって、その子にしかない「脳の個性」が、表に出やすくなっているのです。
診断より先にできること
「うちの子、発達障害でしょうか?」と尋ねられたとき、私はいつもこう答えます。
「グレーの要素は、誰にでもありますよ」と。
もちろん、診断には意味があります。医療、行政、学校のサポートにつながることは確かにあります。専門家につながることで、親御さんの安心につながる場合もあるでしょう。
ただ、家庭で子どもへの関わりを変え始めるという意味では、診断の有無を待たなくてもできることがあります。
なぜなら、発達の凸凹による困りごとは、医学的な方法だけで一気に消えるものではないからです。診断や医療を否定するわけではありません。けれど同時に、日々の関わりの中で、子どもの脳が使われ、伸びていく方向へ導くことはできます。
良くも悪くも変化し続けるのが、脳です。
関わり方によって、子どもの脳は使われて伸びる方向にも、使われにくくなる方向にも進んでいきます。
だからこそ、親御さんの言葉には力があるのです。
ただ、これは「親がもっと頑張ればいい」という話ではありません。
診断にとらわれず、「この子の脳」に合った関わり方をしていく。その姿勢が、親子の関係を明るく前向きなものに変えてくれます。
とはいえ、ここまで読んで、「そんなことはもう試してきた」と感じる方もいるかもしれません。
ネットや本、セミナーと、あらゆる情報を集めて実践して、それでも思うようにいかず、心身ともに疲れ果ててしまっている親御さんは少なくありません。
それは、親御さんの努力が足りなかったからでも、
ただ単に、「一般的な育児の正解」が、お子さんの「脳の特性」に合っていなかっただけなのです。

