さらに近年、この状況を大きく変えているのが生成AIの普及である。従来、フィッシング詐欺には「日本語が不自然」「デザインが粗い」といった見分けるためのヒントがあった。しかし現在では
- 本物と見分けがつかないWebサイトの複製
- 自然な日本語で書かれた詐欺メール
- 精巧な広告クリエイティブ
といったものが短時間で大量に作成可能になっている。
実際に、ワールドカップを巡っては、FIFAの公式サイトに見せかけた偽サイトが確認されている。米連邦捜査局(FBI)は、こうした偽サイトが個人情報の収集や、偽のチケット・ホスピタリティ商品の販売などに悪用される可能性があるとして注意を呼びかけている。
さらに、生成AIの普及により、自然な文章や本物らしいデザインを短時間で作成しやすくなったことで、偽サイトや詐欺メール、広告クリエイティブの制作・拡散のハードルは低下していると考えられる。
ワールドカップは「象徴」にすぎない
重要なのは、攻撃者が狙っているのはワールドカップそのものではなく、「人々の関心が一斉に集まり、検索やSNSの利用が増え、限定感や焦りが生まれ、お金が動く」という状況である点だ。
この条件が揃えば、サッカーに限らず、あらゆるイベントが攻撃者にとっての狙い目になる。同様の構造は、以下のようなあらゆるイベントで成立する。

