・「格安チケット」「限定販売」を謳う偽チケット販売のページ
・SNSや広告を経由したグッズ販売詐欺
・「当選」や「キャンペーン」を装ったフィッシングメール
特に視聴者向けの偽配信サイトでは、「無料ライブ配信」「日本語実況あり」「見逃し配信」「限定ハイライト」といった誘い文句で利用者を誘導し、視聴のためとしてアカウント登録やクレジットカード情報の入力を求めるケースがある。場合によっては、専用アプリやブラウザ拡張機能のインストールを促され、端末内の情報を盗まれたり、不正なプログラムを入れられたりするリスクもある。
チケットについても注意が必要だ。FIFAは、公式販売ルート以外で購入したチケットについて、詐欺や無効チケットなどのリスクがあるとして、FIFA.com/ticketsを通じて購入するよう案内している。
一方で、こうした詐欺サイトや不正な販売ページを通して、クレジットカード情報やログイン情報が盗まれたり、代金を支払っても商品が届かないといった被害が発生している。
重要なのは、これらが「特別な行動」ではなく、日常の延長線上で起きている点である。自宅で観戦するために配信を探す、グッズを購入する、SNSで情報をチェックするといった行動そのものが、攻撃の入り口になっている。今や、「観ているだけ」の人でも被害に遭う可能性があるのだ。
なぜイベントで詐欺は増えるのか
この現象は偶然ではない。ワールドカップのような大規模イベントには、サイバー犯罪が成立しやすい条件がそろっている。
第1に、検索やSNSでのトラフィックが爆発的に増える。「チケット」「配信」「試合予定」などの検索が集中することで、偽サイトへの誘導が容易になる。
第2に、金銭が動く。チケット、宿泊、グッズ、配信サービスなど、決済を伴う機会が増えるため、攻撃者にとって収益化しやすい。
第3に、「急ぐ心理」が働く。チケットはすぐ売り切れる、限定商品を逃したくない――こうした焦りが、冷静な判断を鈍らせる。こうした条件が揃うことで、ワールドカップのような大規模イベントは、通常よりも詐欺の成功確率が高い環境となる。

