スタッフはどのような思いで働いているのだろう。2025年6月から働いている鈴木凛彩さんは、実は歌舞伎町にはあまり来たことがなく、クールにも少し怖いイメージを持っていたと明かす。
「全身に刺青が入った人とか来るのかな、と覚悟していたのですが、大学生など意外と普通のお客さんが多かったです。場所柄、出勤前のホストと姫(お客さん)もよく来ます。ホストも怖いイメージだったんですけど、意外と礼儀正しい人が多くて、印象が変わりましたね」
把握しているだけで客の職業は、学生、社会人、公務員、図書館司書、無職の人など。10年間、毎日のように訪れる人もいるという。
最近、会計の際に小説を持っていた客に「それ面白いですか?」と尋ねたという。するとその本を鈴木さんに貸してくれて、今まさに読んでいると笑顔で教えてくれた。
同僚は20代が多く、元アイドル、パチプロ、ポーカープレイヤーなど、客に負けないほどさまざまな経歴の持つ人ばかり。服装や髪の色、ネイルやピアスなども完全に自由のため、鈴木さんもおしゃれを楽しんでいるとのこと。
これまでのアルバイトはあまり続いたことがなかったというが、「楽しいし、スタッフもめちゃくちゃいい人たちだし、これからも続けていきます」と声を弾ませた。
元々は「とあるコーヒーチェーン店」だった
クールで約12年間働く現場責任者の島田昌幸さんが、店の歴史を教えてくれた。
もともとクールは、「トゥモロー」というコーヒーチェーンの歌舞伎町店だった。クールの初代マスター(24年に逝去)は、トゥモローのエリアマネージャーとして、歌舞伎町店を含む複数店舗を管理していた。
だが歌舞伎町店の採算が取れず、1980代前半に自ら買い取って、経営するように。このときに店名を「クール」としたのだという。

