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FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ期待が急速に後退している。アメリカとイスラエルによるイラン攻撃の前の2月27日には、FF(フェデラルファンド)金利先物の年末時点の予想政策金利は、2026年12月3.05%、27年12月2.86%、28年12月3.04%となっていた。その時点での政策金利3.50〜3.75%から2回以上の利下げがあると見込まれていた形だった。
ところが約3カ月経った6月5日には、26年12月3.86%、27年12月4.01%、28年12月4.16%となり、これから約2年半の間に2回程度の利上げが予想される姿に転じている。このように市場の米政策金利予想が大きく上方修正されたのはなぜか。筆者は大きく分けて3つの理由があるとみている。
1つ目は、事実上のホルムズ海峡封鎖を背景に原油価格が大幅に上昇したことだ。FRBのウォラー理事は、原油高がインフレに及ぼす影響を「一時的」として軽視すべきではないと主張した。さらに、現在のFOMC(米連邦公開市場委員会)声明文には、「次の政策変更が利下げである」と示唆する文言があるが、その削除を支持する考えも示している。
アメリカの労働市場は安定化
2つ目は、米労働市場の安定化だ。失業率は2月の4.4%から3月は4.3%に低下し、4、5月も4.3%で推移した。FOMC参加者の失業率に関する長期予想の中央値は4.2%で、米労働市場は完全雇用に近い状況を維持していると考えられる。また失業保険の継続受給者数など、他の関係指標でも米労働市場の安定化を示すものが増えつつある。ウォラー理事は1月に利下げを支持した際、雇用軟化の可能性を理由に挙げていたが、5月には労働市場が安定化したことを認めた。
3つ目は、FOMC参加者の政策金利に関する長期予想への疑念の強まりだ。同予想は25年以降3%近辺にある。そのため25年12月にFRBが3.50〜3.75%に引き下げた後も、政策金利は中立金利を若干上回り、引き締め的な効果を持つという見方が一般的だった。
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