AIをめぐる「ケタ違い」のニュースが相次いでいる。AI開発のアメリカ新興企業、アンソロピックは6月1日、アメリカで新規株式公開(IPO)申請を行ったと発表。今秋にも上場すれば、時価総額は1兆ドル(約160兆円)の巨額に達すると報じられている。同業でChatGPTを開発する米オープンAIも、1兆ドルを超える規模のIPOを近く申請する見通しと伝えられている。
国内でもAI景気の追い風で、ソフトバンクグループやキオクシアホールディングスが時価総額を40兆円超に膨らませている。
庶民的な居酒屋で宴会
こういったニュースに比べると日本ではほとんど注目されなかったが、AI関連の製造業にとっての「超重要イベント」が、5月下旬の台湾・台北で開かれていた。参加企業の価値を合計すれば実に1300兆円に達する、「AIハードウェア・マフィア」たちの宴である。
宴のホストは、AI半導体の世界最大手である米エヌビディアのジェンスン・フアンCEO。エヌビディアのGPUやAIサーバーなどを作る台湾企業の経営トップを招いて会食したのだ。
実のところ、この会合は会食という堅苦しい言葉にはまったく似つかわしくないものだった。会場は昔ながらの台湾家庭料理を供するレストランで、1人当たりの標準的な消費額は2000~3000円というリーズナブルさ。消費水準を踏まえれば、日本で言うなら養老乃瀧で取引先を接待するような感じだろうか。だがその気取らなさこそがこの会合の本質でもあった。
この会合でフアンCEOは台湾の経営者らと肩を組むなど親密な様子を見せ、さらに記者陣にこう語っている。「エヌビディアと台湾のパートナーは、もはや単なるビジネス関係ではない。一つの大きなファミリーとしてAIの未来を作っている」。ビジネス儀礼など無用、運命共同体として絆を深めるための親睦の場が、この大衆的な会食だったわけだ。
AIを牛耳る製造業の面々
見方を変えれば、この宴に集まったのは、世界中のAIハードウェアを牛耳る企業経営者の面々だ。今や世界中で取り合いとなっているAI用の半導体やサーバーは、これらの企業の協力なしに入手は至難である。
いったい、どのような経営者が参加したのだろうか。
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