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知り、制御することへの称賛 「Claude Code」開発者も愛読した、グレッグ・イーガン『しあわせの理由』を読む(上)

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グレッグ・イーガン『しあわせの理由』山岸 真 編・訳/ハヤカワ文庫
  • 大澤 博隆 慶応大学教授 慶応大学サイエンスフィクション研究開発・実装センター所長

米アンソロピック(Anthropic)社が、新興AI企業として急速に注目を集めている。高性能AIクロード(Claude)は、直近のイラン戦争でも使用された(その後、軍事協力を拒んだ同社は政府と対立)。2026年4月、新たに開発したクロード・ミュトスが「システムのセキュリティーホールを見つけ出す」能力を有していたことで一気に国際的な主導権を握る。

ビジネスに効く名著のエッセンスを識者がコンパクトに解説する。【原則土曜日更新】

「クロード・コード」という革新的ツールを開発したボリス・チェルニーは、アンソロピック入社前に日本の奈良で暮らしていた。彼が当時愛読し、社員たちと意気投合したきっかけになったのが、グレッグ・イーガンの小説だ。

ハードSF作家のイーガンは人の認知・知能と技術を題材に、私たちの世界の「見方」を解体するような、思考実験的な作品を多く書いてきた。本書は、イーガンの初期の作品を集めた短編集だ。今回は収録作品の中から、「適切な愛」と「しあわせの理由」を取り上げる。イーガンの作品には、現実の日常から遠く離れた設定の話も多いが、これら2作はいずれも現代社会が舞台で読みやすい。

「適切な愛」

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