なぜ、高齢者の搬送が目立って多いのか。それには、高齢者の身体面と心理面、両方に理由があるという。
「高齢者は加齢によって、暑さへの感度が落ちています。そのため、エアコンの使用をためらいがちになる」(同)
中森医師は、自身の90代の両親を例にあげて教えてくれた。数年前の盛夏、実家を訪れた際のことだ。
「蒸し暑い真夏の日に長袖で厚着をしていた。暑さを異常として感じる力が相当落ちていると思いました」
心理面での理由は、前述同様「エアコンを使うことへのためらい」だ。中森医師は、現在の高齢者が育った時代背景に注目する。「エアコンは電気代がかかるもの。『ぜいたく品』の認識が根強く残っているのでは」
つまり、高齢者は暑さに気づきづらく、エアコンの使用をためらってしまう。さらに発熱やだるさといった熱中症の初期症状が表れても、「まだ大丈夫」「寝ていれば治るだろう」と考え、対応が遅れる。
高齢者は重症化しやすい
さらに悪いことに、高齢者の熱中症は重症化しやすい。
「高齢者は体内の水分量が少なく、汗もかきにくい。体温調節機能も落ちているため、脱水状態に陥るのが速い。昏睡状態になってから病院に搬送されてくる人は多い」(同)
独居の多さに加え、家族が同居していても一人で過ごす時間が長い「日中独居」が関係しているという。
だからこそ、中森医師はこう呼びかける。
「適切な設定温度を選ぶ必要がありますが、エアコンをつけっぱなしにして、自動運転に頼るのが最も簡単で現実的な熱中症対策だと思います」
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【エアコン「節電」の誤解】
