日本救急医学会が全国の救命救急センターに入院した熱中症患者を継続的に集計する「Heatstroke STUDY」によれば、入院が必要となる熱中症は、毎年千例規模で発生している
。近年の症例数は、2017~18年で1781例、19年1295例、20年1030例、21年1157例。20年に特に減少したのは、新型コロナウイルス流行による外出機会の減少が影響したとされる。
総務省消防庁の24年の速報値では、熱中症搬送の52.1%が「住宅」で発生している。重症例の約7割が高齢者で、死亡者数でも年間800~1500人の約8割が65歳以上を占める。
5月の熱中症に3つの要因
注意したいのは「時期」だ。まだ真夏には遠い、本来さわやかなはずの5月から、熱中症で倒れる人が増えるということだ。
「5月の連休が明けたころから増え始めます」(中森医師)
日本救急医学会のデータでも、ピークは7月だが増え始めるのは5月からだ。
理由は3つあるという。
「5月から6月は、急激に上がる気温に体が追いついていません。汗をかく量や血流の調整ができず、体が熱を逃がしにくい」(同)
もうひとつは湿度の上昇だ。湿度も熱中症の大きなファクターだという。
「この時期は湿度も急激に上がります。すると、汗が蒸発しにくくなり、体温が下がらなくなる」(同)
3つ目の理由は「ためらい」。5~6月は日中の気温が上がっても、朝晩が涼しい日もあり、「冷房にはまだ早い」と使用をためらう家庭は少なくない。
室温が想像以上に上がり、気づかないまま体は限界に近づいていく。
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【エアコンは「ぜいたく」、使用にためらい】
