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ビジネス #AI時代の弁護士サバイバル

AIどう使ってる?〈一線弁護士のリアル〉気になる情報漏洩、複数サービスを使い分け…問われる「弁護士の付加価値」

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(写真:PIXTA)
  • 伊藤 歩 金融ジャーナリスト

INDEX

ベンダーのリーガルテックサービスと汎用AIを巧みに使いこなしていると言われるのは、主に30歳代から40歳代の中堅世代の弁護士たちだ。彼らは具体的にはどのサービスをどのように利用して業務を効率化しているのか。そして高度かつ秘匿性の高い情報を扱うリスクを彼らはどう回避しているのか。20歳代も含め、属性の異なる5名の弁護士に語ってもらい、座談会形式にまとめた。

A弁護士:司法修習54期(弁護士歴25年目)所属弁護士5名の事務所パートナー
B弁護士:司法修習57期(弁護士歴22年目)大企業の法務部所属
C弁護士:司法修習65期(弁護士歴14年目)中規模の事務所パートナー
D弁護士:司法修習65期(弁護士歴13年目)所属弁護士4名の事務所代表
E弁護士:司法修習77期(弁護士歴2年目)大規模事務所所属

 

汎用AIの無料プランで「守秘義務違反」のリスクも

――まずはベンダーのサービス、汎用AIそれぞれどんな場面でどの程度の頻度で使用しているか教えてください。

B 会社から使えと言われているシステムは、代表的な汎用AIの提供会社数社と有料契約を結び、それをベースに自社開発したもの。マスキング(機密データ部分を識別不能に処理)の手間もかからないのでめちゃくちゃ使いまくっている。カスタマーデータが入ったセキュリティーが強固な環境とそれ以外の普通の環境に分かれていて、私たち法務部員がアクセスできるのは後者のみ。社内システムで事足りるので外部のリーガルテックサービスは使っていない。

AIに食べさせているデータは、過去の契約や事業部門に対して法務が出したアドバイスなど。ゆくゆくは法務アドバイスのチャットボットのようなものを構築し、事業部門に開放することを目標にしている。

C ウチの事務所も代表的な汎用AIの提供会社数社と有料契約を結び、エンジニアも雇用しているが、自前のシステムまでは持っていない。汎用AIには学習させない、固有名詞を入力しない、内容を一般化するという3点を徹底している。

顧客の7割がスタートアップなので、主に新規顧客の属性調査や契約書のドラフト作成にAIを使っている。聞き方を工夫してもAIから出てくるのは50~60点程度のもの。それを弁護士がブラッシュアップしている。

汎用AIと併せてベンダーのサービスも利用していて、リサーチ業務ではリーガルスケープを利用している。挙がってくる著作物の許諾がしっかり取れている点で他社とは一線を画している。

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