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16歳少年が20カ所刺す凄惨、「栃木強盗殺人」が映す現代の犯罪像…闇バイトで進む「犯罪者の素人化」

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栃木強盗殺人事件の指示役として逮捕された竹前海斗容疑者
栃木強盗殺人事件の指示役として逮捕された竹前海斗容疑者(写真:時事)
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この事件、基本的には最近話題になりやすい「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」による「闇バイト」関連の事件と構造的には同じであると考えられます。指示役と称される者から命じられるままに行動し、犯罪に至るという流れのものとなります。

今回、指示役とされる20代の夫婦も検挙されていますが、さらにその上に、異なる指示役がいるものと推測され、そういう面からも「トクリュウ」の関与が強く疑われます。

知り合いの16歳の少年たちが起こした「トクリュウ」犯罪

一点、通常の「闇バイト」と異なるのは、少年たちが知り合いであるということ。通常の「闇バイト」の場合は、何の関係性もない者が集められるのが常ですが、今回はそうではないところが相違点です。

さて、この「トクリュウ」ですが、名前は聞いたことがあっても、じつは何を指しているのかわかりにくいものです。

警視庁の定義では、以下のような集団を「トクリュウ」と呼んでいます。

先輩、後輩、友人、知人といった人間関係に基づく緩やかなつながりで集団を構成し、SNS上の闇バイト募集等で結びついたメンバー同士が役割を細分化させ、その都度、メンバーを入れ替えながら、特殊詐欺をはじめとする犯罪を敢行している(流動性)。各種犯罪により得た収益をさらなる犯罪の活動資金に充てているほか、収益を吸い上げる中核的人物は、匿名性の高い通信手段を悪用しながら、犯罪ごとに実行役に指示するなど匿名化・秘匿化されている(匿名性)。

固定的なピラミッド組織を持つ従来の暴力団とは違い、彼らはSNSの闇バイト等で緩くつながる匿名集団です。互いの素性を知らない者同士が、離合集散を繰り返しながら犯罪に手を染めていきます。

指示役とされる夫婦がどのようにして実行犯である少年たちと知り合ったのかはいまだ明らかになってはいませんが、SNSを通して知り合った可能性が考えられます。

「闇バイト」に1人の少年が応募し、そこに仲間を集めるようにという指示が出た。そして、1人目の少年が知り合いの少年たちに声をかけることによって、犯罪グループが組織されたという可能性は否定できません。

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【現在進む「犯罪者の素人化」】

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