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「私が死んだら娘はどうなるのか」重度障害児の親が抱える不安を「補助金ゼロ」の"家"が解消する理由

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熊谷勇太さん
IDEALの部屋のうち、ロフトがある一室(写真:筆者撮影)
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IDEAL内であれば移動時間はゼロ。訪問のたびに自宅に戻らなくても済むよう、介護士もシャワー・仮眠・着替えをIDEAL内でできる環境を整備した。介護士にとってのIDEALは、「住まい」と「職場」と「拠点」が一体化した場所なのだ。さらに、社員には入社時に電動自転車を支給し、地域訪問の効率も高めている。

洗濯機も様々な入居者を想定して何種類かを設置。働く介護士も使ってOKだという(写真:筆者撮影)

この「勤務時間のロスを無くす」設計による経済効果は、介護士の給与にも表れる。厚生労働省の調査によると、令和6年度の介護従事者の平均給与は月収33万8200円、年収換算で約406万円+賞与だ。これに対しHABINGでは、たとえば介護福祉士としてのキャリアが10年弱の30歳女性スタッフは、入社3年目で年収約600万円弱。業界水準を大きく上回る。

また、季節労働的な働き方も認めているため、音楽やアートなど、本業以外で打ち込みたいものがある人も所属しやすい。こうした環境整備の成果もあり、起業から6年で、やむを得ない事情以外で退職した社員は1名のみ。介護労働安定センターによれば、令和6年の介護職の離職率は12.4%だが、HABINGではわずか3%ということになる。

取材時案内してくれたスタッフは、以前熊谷さんが介護士として訪問していた家庭の家族だった。外資系企業などでの勤務を経て、入社を決めたという。

入居者、家族、そしてスタッフ。全員が「安心して腹いっぱいメシを食える」状態を目指す熊谷さんへの信頼は厚い。

「7割以上は自社を使わない」異色の哲学

介護業界ならではの人材問題もある。本来であれば、事業所ごとに健全に競い合うことが優秀な人材を育てることにもつながるはずだが、各事業所が介護士を囲い込んでしまうことで、必要な場所に介護が届かない。

熊谷さんは、IDEAL入居者のケアに、敢えて他社の介護士も積極的に活用し、「7割以上は自社を使わない」と決めている。「会社を超えて人材を活用できる仕組みをつくることが業界全体への貢献になる」と考えているためだ。

IDEALのロゴは、入居定員である7人一人ひとりのドアを表現しているという。周辺に点在するオレンジは会社のイメージカラーだ(写真:筆者撮影)

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【熊谷さんが「億単位の寄付」を断った理由とは】

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