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「私が死んだら娘はどうなるのか」重度障害児の親が抱える不安を「補助金ゼロ」の"家"が解消する理由

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熊谷勇太さん
IDEALの部屋のうち、ロフトがある一室(写真:筆者撮影)
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今は、一緒に外出して季節ごとにスターバックスのフラペチーノを飲むのが楽しみになっている。出かけるのに外出許可の書類も段取りも必要ない。

IDEALの部屋のうち、ロフトがある一室。ロフトスペースは入居者によって夜間に介護士が仮眠をとったり、ケア用品のストックに活用したりしているという(写真:筆者撮影)

「抜け殻みたい」と思っていたケンジさんが、もともと好きだった甘いものを今でも好きでいることがわかり、ケンジさんであることを感じられる喜びを噛みしめている。

知られざる「重度訪問介護」の壁

体が不自由で、言葉によるコミュニケーションも難しいケンジさんは、シェアハウスでどのように暮らしているのだろう。

鍵は、「重度訪問介護」という制度にある。

障害福祉のヘルパー訪問制度には「居宅介護」と「重度訪問介護」の2種類があるが、長時間一体的な介護ができる「重度訪問介護」の認知度は低い。

ヘルパー訪問サービスの種類についての分類(画像:筆者作成)
※参照元
厚生労働省「障害福祉サービスについて」「介護保健制度について」「国庫負担基準について」、ホームケア土屋「重度訪問介護と訪問介護と居宅介護の違いは?サービスの違い

さらに、「重度訪問介護」は金額規模が大きいぶん、自治体は認定に慎重だ。法律上の上限はないものの、自治体ごとに上限基準を設けるケースもある。

しかし実際には、睡眠時間も含めてより長時間の見守りが必要な人が多く、制度設計が現実に追いついていないのが現状だ。

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【重度訪問介護の認定を受け、24時間体制のケアを実現】

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