今は、一緒に外出して季節ごとにスターバックスのフラペチーノを飲むのが楽しみになっている。出かけるのに外出許可の書類も段取りも必要ない。
「抜け殻みたい」と思っていたケンジさんが、もともと好きだった甘いものを今でも好きでいることがわかり、ケンジさんであることを感じられる喜びを噛みしめている。
知られざる「重度訪問介護」の壁
体が不自由で、言葉によるコミュニケーションも難しいケンジさんは、シェアハウスでどのように暮らしているのだろう。
鍵は、「重度訪問介護」という制度にある。
障害福祉のヘルパー訪問制度には「居宅介護」と「重度訪問介護」の2種類があるが、長時間一体的な介護ができる「重度訪問介護」の認知度は低い。
さらに、「重度訪問介護」は金額規模が大きいぶん、自治体は認定に慎重だ。法律上の上限はないものの、自治体ごとに上限基準を設けるケースもある。
しかし実際には、睡眠時間も含めてより長時間の見守りが必要な人が多く、制度設計が現実に追いついていないのが現状だ。
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【重度訪問介護の認定を受け、24時間体制のケアを実現】
