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新婚旅行の聖地→バブル遺産となっているが…《廃墟ホテル群》が眠る岬に広がる「野生馬の王国」

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550ヘクタールの岬には廃墟ホテル群が佇み、野生馬が自由に歩き回っている(写真:筆者撮影)
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中でも最大規模を誇ったのが、都井岬観光ホテルだ。1964年に開業。その後団体観光を受け入れるために1972年に本館建設を進めて地上6階、部屋数151室、収容人数550人、さらにはボウリング場まで備えた岬随一のマンホスホテルになった。

しかし、その後社会情勢が変わっていく。

1972年に沖縄返還があり、さらに海外旅行も一般化したことで「宮崎で南国気分」が特別ではなくなっていく。それに加えて団体旅行文化も衰退していき、観光客は減少していった。

最大規模だった都井岬観光ホテルは2010年3月28日に閉館。46年の歴史を閉じた。その後同ホテルを「岬の駅」として活用したがこれも閉館した。その後長らくそのままになっていたが、最終的には市が土地を買い取って解体。

都井岬観光ホテル跡地に立つ「PAKALAPAKA(パカラパカ)」と「TOIGLAM SOLASITA(トイグランソラシタ)」。左側に見えるのは「都井岬ビジターセンターうまの館」でこちらは2020年に閉館(写真:筆者撮影)
南の灯台近くにある都井岬荘。海を見下ろす眺望抜群の立地にあり、釣り客にも人気があったようだ。宮崎日日新聞の1965年9月21日記事には、開業した当時の様子が新聞で華々しく報じられていた(写真:筆者撮影)

その他の宿やホテルも次々と閉業し、現在都井岬で営業を続ける宿はわずか3軒のみ。アクセス手段は主に車だ。コミュニティバスも通っているが本数は少ない。現在の訪問者数は年間およそ10万人である。

岬の最先端にある御崎神社。航海安全と縁結びの神を祭っている(写真:筆者撮影)
都井岬灯台(写真:筆者撮影)

このように人間社会の流れは大きく変わった。しかし、馬たちは300年前から変わらない営みを続けている。串間市観光物産協会・野生馬ガイドの黒木隆介さんに御崎馬についての話を伺った。

かわいい…! 13頭の子馬が誕生

毎年4月から5月にかけて、都井岬では新たな命の誕生のシーズンを迎える。出産は夜から明け方にかけての時間帯が多く、人目につくのはまれ。2026年は13頭の子馬が生まれ、うち11頭が成長している(5月5日時点)。

取材当日の5月5日に誕生した子馬。母乳を飲んですやすやと眠っている(写真:筆者撮影)

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【御崎馬は生まれてから1時間程度で立てるようになる】

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