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新婚旅行の聖地→バブル遺産となっているが…《廃墟ホテル群》が眠る岬に広がる「野生馬の王国」

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550ヘクタールの岬には廃墟ホテル群が佇み、野生馬が自由に歩き回っている(写真:筆者撮影)
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岬の隔絶された環境でほぼ自然のまま繁殖を続けたことで、日本在来馬としての特徴が保たれた。1953年に国の天然記念物に指定されたことで、全国的もその名が知られるように。

体高およそ120~130cm。勾配のある丘の上を、草を求めてたくましく闊歩する(写真:筆者撮影)
背中を地面にこすりつけるようにゴロゴロする馬。背中を手で掻けないので、こうした動作を見せる(写真:筆者撮影)

2大ホテルが「オール新婚さん」で満員に!

1960年代~1970年代にかけて宮崎は「新婚旅行ブーム」で沸いていた。

1960年に皇太子夫妻(現在の上皇夫婦)が新婚旅行で宮崎を訪れたことで「憧れの南国リゾート」として注目されたことも大きい。当時はまだ海外旅行が一般的ではなく、さらに沖縄がアメリカ領土だった時代だ。青い空と海、ヤシの木の南国ムードが特別に感じられたのだろう。日南海岸を中心に、多くの観光客を引きつけた。

その流れの中で、都井岬にも多くの観光客が訪れた。最大のピークである1974(昭和49)年には67万8437人が訪れている。観光客を受け入れるために、岬には10数件の宿ができた。

都井岬の夕暮れ。西日が芝山を黄金に照らしている(写真:筆者撮影)

宮崎日日新聞では、1972年4月18日は都井岬観光ホテル(当時和室41室)と都井岬グランドホテル(当時34室)が「オール新婚さん」で埋まったことが報じられている。大安吉日の後であり、東京や大阪で結婚式を挙げたカップルがそのままハネムーンに来た流れだったそうだ。岬中が新婚さんであふれかえった。

「若者の結婚離れ」といわれる現代、さらに「行くか行かないか」も含めて新婚旅行の在り方も多様になった今から見ると、まるで別世界のような光景だろう。

多くの新婚さんがハネムーンを過ごした都井岬グランドホテル。現在は廃墟となったまま佇む(写真:筆者撮影)
赤いツツジが印象的だった(写真:筆者撮影)

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【現在都井岬で営業を続ける宿はわずか3軒のみ】

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