太陽光や風力などの再生可能エネルギーが生み出す電力を一時的に蓄える「蓄電システム」。その生産・販売を手がける中国企業に、世界中から注文が殺到している。
太陽光パネル大手の阿特斯陽光電力集団(カナディアン・ソーラー)傘下の阿特斯儲能(e-STORAGE)は3月31日、イギリスの再生可能エネルギー大手のDrax(ドラックス)から2件の大型蓄電設備の受注を獲得したと発表した。
e-STORAGEはイングランドとスコットランドの2カ所に合計420MWh(メガワット時、蓄電能力ベース)の蓄電システムを納入するとともに、システムを長期安定稼働させるための運用保守サービスも提供する。
2026年第1四半期(1~3月)の最終日に成立したこの契約を含めて、年初からの3カ月間に中国企業が獲得した電気化学式蓄電システムの海外受注件数は合計124件、総容量は104万6300GWh(ギガワット時)に達し、前年同期比27%の増加を記録した。
(訳注:「電気化学式」は蓄電システムの方式の1つで、リチウムイオン電池などの蓄電池を使って電力を貯蔵・放出する)
蓄電システムの海外受注は1年余り前から急増し始め、中国企業の25年の年間受注量は前年の約2.4倍の366GWhに上った。26年1~3月期はそれに輪をかけて受注が伸び、業界関係者の間で「爆増」と形容されるほどだ。
その要因について、業界団体の中関村儲能産業技術連盟(CNESA)の兪振華・常務副理事長は「電池セルの製造からシステムインテグレーション、機器の輸送・設置に至るまで、中国企業は(蓄電システムの)バリューチェーンの全段階で優位性を確保しているからだ」と解説する。
需要増加は一過性にあらず
この記事は有料会員限定です
残り 5173文字
