さて、このように何かと人々に愛されているアザラシ。ゾウほど巨大な動物ではありませんが、あの丸く、なめらかで、ぬいぐるみのようにも見えるアザラシの体は、病理解剖の現場では、見た目の可愛らしさとは裏腹な手強さを見せます。
ゴマフアザラシの解剖
ある水族館の若い男性獣医師から、ゴマフアザラシの病理解剖を依頼されました。28歳のオスで、年齢的には高齢のアザラシです。生前、とくに目立った異常があったわけではないのですが、ある時期から食欲が少しずつ低下し、やがて亡くなったとのことでした。
依頼のメールを受けたとき、ぼくは出張で偶然、その水族館の近くにいました。そこで、このときは水族館に赴き、現地で病理解剖を行うことになりました。
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【アザラシとアシカの違いは?】
