バラエティ番組の中でタレントが名前を伏せて話したことが、ここまで広がっていくのは珍しいことである。そうなった直接のきっかけは、八木がSNSで高橋の加害を公に認めたことにある。
ただ、仮に八木が沈黙していたとしても、この騒動はすぐには収まらなかったかもしれない。その前の段階で「犯人探し」の動きが加速していて、簡単には止められないものになっていたからだ。
「匿名トーク」が成立しづらくなった
名前を隠して誰かの暴露話をするのは、バラエティ番組でよく行われている定番企画である。ただ、今回の騒動を見ていると、そんな「匿名トーク」が今の時代には成立しづらくなっているのを感じる。
一昔前のテレビ番組というのは、良くも悪くも一度放送してしまえばそれで終わりという感覚があった。録画機器もそれほど普及していなかったし、「見逃し配信」という仕組みもなかった。テレビ番組での発言内容がネットニュースとしてあとに残る形で広まることもなかった。
しかし、今はそれが通用しない。地上波番組でも配信番組でも、そこで話した内容は後々まで残る可能性がある。たとえ匿名で話をしても、それが誰なのかということについて、ネット上であれこれ噂や憶測が飛び交ったりする。さまざまなルートで名前を特定しようとする動きも出てくる。しかも、その過程の中で事情を知っている関係者がネット上で名前を暴露したり、重要な情報を提供したりすることもある。
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【名前を伏せることで臆測が広がる】
