社会支出向けの課税の根底にある自主性とつながりのトレードオフについて、人はどう感じているのか?
この問題を調べるためには、総合的社会調査に戻り、アメリカ政府は減税するべきか、それとも社会支出を増やすべきかを人々に尋ねた結果を見てみればいい。あなたも想像していたかもしれないが、その答えは、彼らが右派か左派か次第だ。
自主性とつながりのトレードオフは政治的志向性に左右される。極端に自由主義的な人は社会支出の増額を好むのに対して、極端に保守的な人は減税を好む。この結果を掘り下げる前に、2つ指摘しておく価値がある。
第1に、どちらの陣営にも、完全な合意は見られない。つながりこそ至上である極端に自由主義的な人でさえ、その10%は社会支出の増額よりも減税を望んでいる。
そして、自主性こそが切り札である極端に保守的な人でさえ、その40%が減税よりも社会支出の増額を望む。
第2に、極左と極右の人の好みには大きな違いがあるものの、全体としてはつながりが自主性に優る。
極右の人が(自分が知りもしない人にお金を費やすことで)つながりを選ぶ割合は、極左の人が(自らの税を減らすことで)自主性を選ぶ割合の4倍だった。
そして、あなたの払った税金のまる3分の1が困っている人に再分配されることも、これで説明がつく。大多数のアメリカ人が、それを望んでいるからだ。
データを解釈する上での懸念材料
これらのデータにおける左派と右派の違いにまつわる懸念材料が1つある。私利私欲によって歪(ゆが)められてしまっているかもしれないのだ。
左派の人は右派の人よりも貧しい傾向にあるので、ひょっとすると、彼らのほうが社会支出を好ましく思っているのは、社会プログラムは自分自身や家族や友人を対象とする可能性が高いという期待の反映かもしれない。
それは正しいかもしれないが、この可能性を除外して考えたときにも、同じ基本的結果が見られる。
たとえば、豊かな国は自国の税金を使って貧しい国を助けるべきかどうかを調査者は尋ねた。これによって、自分の家族が恩恵を受けることを期待して左派の人が社会支出を支持している可能性を、事実上排除したわけだ。

