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少子化なのに「小中高生の自殺」過去最多、親の虐待や教員の不適切な指導による死…なぜ自殺?そのとき何があったのか

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学校のベランダでうなだれる男子生徒
全世代の自殺者数は減っているのに10代だけが減少していないのはなぜか(写真:マハロ / PIXTA)
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2人が残したSNSの動画では、特に自殺の理由になるようなことは話していない。ただ、亡くなる数時間前、一緒に亡くなった男性のものと思われるTwitter(現在のX)には、《(一緒に亡くなった中学生と)付き合ったカモ〜》との投稿をしていた。また、最後の投稿は、約1時間前の《お幸せになるが〜!》というものだった。

第一発見者のアミは、こう振り返る。

「エレベーターには一緒に乗らなかったので、会話はしませんでしたが、すごく暗い様子でした。OD後っぽかったんですが。あのとき、(自殺するのを)気づいていればよかったと後悔しています。2人のことを考えて、病みました」

2人はどんな悩みがあったのだろうか。

「亡くなった男の子と話をしていたときに、時々、『死にたい』と話していました。その理由は言ったことがなかったですね。ただ、お母さんからくる《どこにいるの?》とか《早く帰ってきて》などのLINEをとても嫌だって話していた。たくさん(LINEのメッセージが)きていたと思います。

それ以上のことを深く話してはいないです。女の子は『家に帰りたくない』とは言っていましたが、悩みの話はほとんどせず、トー横で楽しく友達と話したり、お酒を飲んだりしていました」

詳細はわからないが、家族問題で悩みがあったのではないかと思われている。

教員による不適切な指導後に亡くなった男子生徒

こども家庭庁は「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を23年に策定した。その中で背景要因の分析がある。

背景要因を分析する手法の1つに、文部科学省の「子どもの自殺が起きたときの背景調査の指針」による「基本調査」のデータ収集がある。これは11年6月に作成された後、13年にいじめ防止対策推進法が成立したことを受け改訂。そして24年12月にも、「児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の指針」として再度、改訂されている。

この改訂は、教員による不適切な指導を背景に自殺した遺族らでつくる「安全な生徒指導を考える会」が要望していたもので、改訂時には同会のほかにも、一般社団法人ここから未来の意見も反映された。

それにより、教員による不適切な指導が背景にあった場合の調査手法についても明記された。

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【大声での叱責と理不尽さが自殺への衝動を誘発したか】

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